□◆□…優嵐歳時記(664)…□◆□

   枯れ深む静かな山の息づかい  優嵐

冬至からほぼ一ヶ月がたち、かなり日が長くなってきた
のがわかります。野山は今、枯れ一色で、山を見上げても
すっかり落葉しつくして、竹と針葉樹の緑以外には色が
ありません。すべてを落としつくし、隙間の多くなった
山の情景はそれはまたそれでいいものだなと思います。

冬の山を指す季語には「冬山」「枯山」などとならんで
「山眠る」というのがあります。山水画の大成者郭熙の
『林泉高致』にある「冬山惨淡として眠るが如し」が
出典です。山が、冬日の下で春を待ちつつゆったりと
安らいでいる、そんな印象を受けます。