□◆□…優嵐歳時記(697)…□◆□

   雨あがり春の山より霧たちぬ  優嵐

よく雨が降るようになりました。春が進んでいるのだな
と感じます。夕方前には雨がやんで、浅葱色の空が雲の
合間にのぞくようになっていました。そうなると、もう
山々からは水蒸気がいっせいに立ち昇り、雲に返って
いるのが見えます。

百人一首の
むらさめの露もまだ干ぬまきの葉に
        霧たちのぼる秋の夕暮れ(寂蓮法師)
という歌を思い出す情景です。
水が絶え間なく循環していることを実感する眺めでも
ありました。