□◆□…優嵐歳時記(813)…□◆□

  青梅雨にカラス全身濡れて立つ  優嵐

昼過ぎまで雨が降っていました。窓から見下ろせる前の
家の屋根にカラスがとまって盛んに何かをちぎって食べて
いました。かなりしっかり降っていた雨にカラスの羽も
びっしょり濡れています。

家の下に車が止まり、赤い傘をさした女性が降りて
きました。野生生物は、雨の日は雨に打たれて暮らすの
だな、傘も合羽もないよな、と思いながら啄ばむカラス
を見ていました。

やがて食べ終わったカラスは、屋根の縁に何度か嘴を
こすりつけました。ちょうど人間が食べ終わったあと
ナプキンで唇を拭うようなしぐさです。カラスのテーブル
マナーか、と可笑しく思っていると、カラスはさっと
飛び立っていきました。