□◆□…優嵐歳時記(909)…□◆□

  残る虫時を追い越すすべ知らず  優嵐

初秋から仲秋にかけて盛んに鳴いていた虫もいつの間にか
静かになって、細々とした声が思い出したように聞こえて
くるだけになりました。鳴き始めたときは、珍しくて
それと気づくのですが、鳴き衰えて鳴きやむころは、
毎年、いつの間にか、で終わってしまいます。

今年もあと七十日ほどになりました。時の加速度は増す
ばかりです。これは誰に聞いても同じで、子どものころ
と今と、一年が同じ一年とはとても思えない、というのが
誰もが抱く感想のようです。