□◆□…優嵐歳時記(73)…□◆□

    芝ざくら陽を敷き詰めて咲きつづく   優嵐

桜が散り始めるころ、それと入れ替わるように庭や土手にシバザクラが
咲き始めます。遠くから見るとまるで土手の表面がクレヨンで塗り
つぶしたようにピンクに染まります。あまりにもびっしりと花が咲く
ので、葉の緑が見えなくなってしまうのです。

シバザクラは北アメリカ原産で、ヨーロッパに渡って世界各国に広
まりました。ハナシノブ科の多年草で、草丈は10cmほど、地を這う
ように広がります。花はピンク、白、藤色、ブルーなどがあり、五弁の
花が桜を連想させるところからシバザクラとの名前がついたのでしょう。
ハナツメクサ、あるいはモス・フロックスとも言います。フロックス
とはギリシャ語で「炎」のことです。