□◆□…優嵐歳時記(965)…□◆□

  冬の陽へ阿修羅の瞳まっすぐに  優嵐

興福寺の国宝館で阿修羅像を見ました。奈良時代の乾漆仏
で、私の最も好きな仏像のひとつです。わずかに眉を
ひそめ、まっすぐ前を向いた少年の面差しをしています。
もしかしたら少女かもしれません。両性具有といっていい
清冽な美しさがあふれています。

奈良時代に生きた誰かがあるいはモデルなのか、この
年代特有の涼やかなまなざしで、1200年以上の年月、何を
見つめてきたのだろうか、と思います。