優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:ドリーム

台風
アイドルは「時分の花」を楽しむジャンルです。それゆえ数年で消費されていきます。「時分の花」を超えた「まことの花」を持ち得るかどうかがその後を左右します。岩崎宏美が当初から「まことの花」を持ち合わせていたことは、この歌唱だけでわかります。

『ドリーム』のサビを聴いたときは、歌というよりも、スポーツの決定的瞬間のような感覚でした。「決まった!トリプルアクセル」とか「大外刈り一本!」「逆転スリーラン!」といった感覚。フィジカルの凄さがもたらす解放感とでも言いますか。
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秋うらら
最近、岩崎宏美をYouTubeで聴きまくっています。お勧め動画に『ドリーム 岩崎宏美』が出てきて何気なく開いてみたら、度肝を抜かれました。「夜のヒットスタジオ」の映像で、当時17歳、おかっぱ頭に水色のワンピースの彼女はまだどこか幼さの残る風情です。

ところが歌いだしたら仰天しました。とにかく声量が凄い。さらに「このぼくが〜」からのサビの声の伸びと響き渡る高音の素晴らしさ。とても17,8歳の女の子の歌とは思えません。

こうした高らかに歌い上げるサビの場合、大部分の歌手は眉根を寄せたり目を閉じたりして「渾身の力で歌っています」という感じになります。ところが彼女は、全く何の苦もなく微笑さえ浮かべやすやすと音に乗り、歌い切ります。当時は生放送で生バンド一発撮りです。それでこの歌唱、凄いとしか…。
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