優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:ピアノ

短夜
昨日は一日強風注意報が出ていました。夜になってもそれは続き、窓の外では風の音がしていました。朝は4時半頃にはすでに明るくなり始め、夜は午後7過ぎまで明るさが残るようになっています。

クラシック音楽界には古楽器で演奏する人々がいます。作曲家が生きた時代の楽器を使い、できるだけ作曲家が想定した音に近いものを再現することを目指しています。その音色が最も異なるのはピアノが属する鍵盤楽器です。

吹奏楽器や弦楽器も多少は異なりますが、鍵盤楽器ほど明確な差はありません。チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ、ピアノへと発展し、構造そのものが進化しているため、別の楽器のような音色がします。
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大霜
クラシック音楽発展の背後に楽器、とりわけピアノの発達が大きな役割を果たしていることに気が付いて、面白いと思いました。もし、ピアノがチェンバロから今のような形へと発達しなければ、ベートーヴェンのソナタは異なる形だったかもしれません。

さらにロマン派以降のショパンやリストは何で自分を表現したでしょうか。それを思うと、ピアノという楽器を工学的に現代のような形へと高めていった職人たちは、クラシック音楽の歴史にとって欠かせない人たちです。
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寒の朝
ピアノは比較的新しい楽器で、18世紀になってから発展しました。ハイドンが作曲家として活躍を始めたのは18世紀半ばです。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの時代を経て現在のピアノが完成していき、それに伴って作曲法、演奏技法なども進化しました。

ベートーヴェンのピアノソナタ集は「ピアノの新約聖書」といわれます。彼の才能ももちろんですが、ピアノと呼ばれる楽器の原形が固まったからです。その後、ロマン派の時代に入りピアノは完全に今の姿になりました。

ハイドン以前のバロック時代に活躍したバッハやヘンデルはピアノ曲を書いていません。バッハの平均律クラヴィーア曲集は「ピアノの旧約聖書」といわれます。しかし、彼自身はこれを<鍵盤楽器>のために書いたのであり、ピアノはまだ存在していません。
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