優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:ベートーヴェン

三月
ハイドンと同じ古典派前期に活躍した作曲家にボッケリーニ(1743-1805)がいます。ハイドンやモーツァルトに比べると今ではややマイナーな印象ですが、チェロの名手でもありました。20世紀になってから再評価が進んでいるようです。

ボッケリーニの音楽も明るく軽やかで優雅です。これは古典派前期の特徴で、彼らが王侯貴族に雇われていたからです。軽やかで明るい旋律は当時の貴族が求めたものでした。雇い主の好みにあわない曲を作っていては解雇されてしまいます。

フランス革命を経て顧客が王侯貴族から市民階級へと変わったロマン派の音楽では、ドラマチックで重いものが増えていきます。ベートーヴェンは古典派に分類されていますが、曲の雰囲気からするとロマン派の先駆けと感じられます。
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冴ゆ
ハイドン、モーツァルトのピアノソナタを数人のピアニストで聴いた後、ベートーヴェンに移りました。そして、数曲聴いてやめました。三大ソナタと言われる「月光」「熱情」「悲愴」だけでも聴こうとしましたが無理でした。

まず、音の幅が大きすぎBGMには不向きです。静かになったかと思うと突然がーんと大きな音で鳴り、ゆっくり聴いていられません。ベートーヴェンは音楽だけに集中して聴くことを要求している感じですが、私はそういう聴き方はしません。

また機会があれば聴くかもしれませんが、自分の好みがバロックから古典派のモーツァルトあたりまでということがわかりました。ハイドンとモーツァルトだけでも十分すぎるほどの作品量です。
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寒の朝
ピアノは比較的新しい楽器で、18世紀になってから発展しました。ハイドンが作曲家として活躍を始めたのは18世紀半ばです。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの時代を経て現在のピアノが完成していき、それに伴って作曲法、演奏技法なども進化しました。

ベートーヴェンのピアノソナタ集は「ピアノの新約聖書」といわれます。彼の才能ももちろんですが、ピアノと呼ばれる楽器の原形が固まったからです。その後、ロマン派の時代に入りピアノは完全に今の姿になりました。

ハイドン以前のバロック時代に活躍したバッハやヘンデルはピアノ曲を書いていません。バッハの平均律クラヴィーア曲集は「ピアノの旧約聖書」といわれます。しかし、彼自身はこれを<鍵盤楽器>のために書いたのであり、ピアノはまだ存在していません。
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