優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:モーツァルト

寒林
モーツァルトのピアノ協奏曲第25番第1楽章の終わり近くに「ラ・マルセイエーズ」の旋律が出てきます。なぜここでフランス国歌なのか、と不思議に思いました。ただ、モーツァルトがこれを作曲したのは1786年、フランス革命勃発は1789年です。

「ラ・マルセイエーズ」は1792年にフランス革命政府がオーストリアに宣戦布告したのを受け、工兵大尉ルジェ・ド・リールが一夜にして作詞作曲したと言われています。つまり、時間的にはモーツァルトの旋律の方が先なのです。

ピアノ協奏曲第25番の初演は1987年とされています。当時はモーツァルトの絶頂期で、この旋律をどこかで聴いたルジェ・ド・リールが「ラ・マルセイエーズ」に取り入れたとも考えられるでしょう。1792年にはすでにモーツァルトは亡くなっていました。
DSCN5581


春を待つ
明日はモーツァルトの誕生日です(1756/01/27)。モーツァルトのピアノ協奏曲もひととおり聴きました。恐らく誰でも知っているのは第21番第2楽章でしょう。

スウェーデン映画『短くも美しく燃え』(1967)に使われ、欧米では原題でもあるヒロインの名前をとって ”Elvira Madigan” と呼ばれます。モーツァルトの時代は音楽に題名をつけることは稀でした。音楽を音楽によって表現しようとしたからだと言われています。
DSCN1162


寒茜
モーツァルトのピアノソナタをヴァルター・ギーゼキング(1895-1956)とクラウディオ・アラウ(1903-1991)で聴きました。ふたりとも20世紀を代表するピアニストです。

このうちで誰でも知っている曲と言えば、第11番第3楽章「トルコ行進曲」でしょう。それ以外にも、「ああこれは知っている」という曲がいくつかありました。

ソナタ形式は、三つの部分から構成されるクラシック音楽の曲の構成方法の一つで、三つの楽章からなる作品が最も多いです。各楽章単独でCMやBGMなどに使われていることもよくあります。
IMG_4968

大寒
二日続きの雨模様のお天気になりました。大寒のころにこのように天気が崩れるのは珍しいです。瀬戸内式気候に属する姫路では、冬のこの時期は連日快晴で冷え込む朝と日差しの眩しい日中というのが繰り返されます。

モーツァルトのピアノソナタを二人目のMaria Joao Piresで聴いています。三人聴き終わったらベートーヴェンに移ろうと思っています。その後はシューベルト、ショパン、シューマン、リストなどを聴いていくつもりです。
IMG_4023


寒暁
ピアノソナタというのは、BGMとして聴くのにちょうどいいです。いまモーツァルトを聴いています。何かをしながら聴いていますが、ときどきはっとするような美しいメロディが出てきて、さすがにモーツァルトだと思います。

モーツァルトの音楽には天上から降り注ぐような極上の美しさがあります。クラシックの巨匠は誰もがみな彼らなりの美しい旋律を持っています。中でも、モーツァルトは最も天国に近い雰囲気を漂わせている、と思えるのです。
DSCN1147



冬の鵙
モーツァルトのホルン協奏曲の動画をYouTubeで探しているうちに驚くべきホルン奏者に出会いました。フェリックス・クリーザーは生まれつき両腕がなく左足の指でホルンのバルブを操作しています。彼は5歳でホルンを始めました。

両腕がなくてもなんとか演奏できる楽器といえばホルンくらいでしょうか。ただ、それとて容易なことではないはずです。ホルンは右手をベルの中に入れ音色や音程を調整します。それを彼は舌、口腔、顎の動きなどで調整しているそうです。

彼がプロになろうと決心したのは、先生に「趣味以上のものはない」と言われたからだとか。それくらいのガッツがなければやっていけないでしょう。
DSCN5510


冬の夜
オペラ歌手車田和寿のYouTubeチャンネルで、モーツァルトお勧めの一曲目として『ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K417』が紹介されていました。モーツァルトはホルン協奏曲を四つ残しています。私は四つとも大好きで、昔持っていた廉価版CDでよく聴いていました。

久しぶりにYouTubeで探して聴いてみたら、これもまた泣けてきました。私は涙もろい人ではありません。むしろ作為的な感動の盛り上げにはしらけてしまいます。

クラシック音楽の誘う涙というのは本や映画などとは違います。理屈ではない。だから音楽は心に届くというんでしょうか。もっと心の奥の奥、本人もわからない心の深層まで届く気がします。
IMG_6715


落葉
ハイドン(1732-1809)の音楽をYouTubeで聴いています。膨大な作品数であるためほんの端をかじっただけですが、ピアノソナタ集を聴いて、モーツァルト(1756-1791)と似ているなあと思いました。それは当然で、二人は同じ古典派で親交がありました。

ハイドンはモーツァルトの才能を高く評価し、モーツァルトはハイドンを深く尊敬していたそうです。ハイドンの生きた時代は啓蒙専制君主、フランス革命、ナポレオン登場など欧州が大変動していく時代でした。

少年時代、彼はウィーンの聖シュテファン大聖堂の聖歌隊に所属して歌い、当時20代のマリア・テレジアにお目見えしています。そして、ナポレオンがウィーンに侵攻する中で亡くなっているのです。年代別に歴史と照らし合わせて聴くのも面白いでしょう。
IMG_6732


このページのトップヘ