優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:兵庫県立考古博物館

嘴広鴨
考古博物館から狐狸ヶ池にかかる木橋を渡って駐車場に戻りました。池にはハシビロガモが来ています。ハシビロガモは北アメリカやユーラシア大陸の高緯度から中緯度で繁殖し、日本へは冬鳥として飛来します。名前のとおり幅広の嘴を持っており、それで水面のプランクトンを漉しとって食べます。
DSCN6315


短日
兵庫県立考古博物館では、古墳時代の準構造船を再現したものに乗ることができました。巨木をくり抜いた下半分と板を組み合わせた上半分の二段構造になっています。巨木は北米産の米松を使っているそうです。表面は手斧(ちょうな)で美しく仕上げられています。

実際に日本海側の諸寄海岸で船を浮かべたといいます。その当時の人々がどんな航海技術を持っていたのか、想像が膨らみます。各地から出土する遺物を見ればかなり昔から人は船で広範囲に移動し物と人の交流を行っていたようです。
DSCN6308


冬の沖
展望台からは真南に淡路島の西海岸も望めます。弥生人たちはイイダコ漁をしていたといいますから、沖に船を出して淡路島にも渡っていたことでしょう。
DSCN6301

銀杏落葉
展望台の足元を見ると、目の前で弥生時代の住居の復元作業が進められています。このようにしてひとつひとつ住居が復元されていったのでしょう。大中遺跡の全貌はまだ完全には明らかになっていないようです。
DSCN6302

冬陽
展望台からは南に播磨灘が見えます。このあたりは白砂清松が続く海岸線でしたが、高度経済成長時代に埋め立てられ今では海が遠くなっています。それでも南を見ると低い冬の太陽に照らされて海が輝いていました。
DSCN6300


冬晴
考古博物館まで戻り、まず展望台に登ってみました。古代の物見櫓を模して作られ、大中遺跡の景観に配慮していると同時に、展望台から遺跡の全体像を見渡せるようにもなっています。
DSCN6306


冬ぬくし
大中遺跡公園ではクスノキの大木が目立ちました。遺跡からクスノキも発掘されたのでしょう。クスノキは関東以西に生育し生長が早く巨樹となります。兵庫県の県の木です。クスノキの木陰に住居跡の遺跡がありました。柱跡が四本わかるようになっています。
DSCN6277


冬浅し
大中遺跡公園の一画でノジギクが群生していました。ノジギクは兵庫県の県花です。近づくと花の甘い香りがしました。兵庫県以西の本州と四国・九州の瀬戸内海・太平洋沿岸部に自生しています。
DSCN6273


冬の朝
復元された弥生の住まいを順番に見ていると、一軒の家の煙出しから煙が出ているのに気づきました。回り込んでみると「防虫のため煙で燻しています」と張り紙があります。中に係員がおられて、お話をきくことができました。

ここに使われている葦は加古大池で採れたもので、公園内で乾燥させ使っているそうです。実際の弥生時代の住居がどのようなものだったかは基礎の部分しか残っておらず、上の部分は想像に基づいているとのことです。腐ってしまいますから無理もありません。

近隣から採れる材料で風雨を防ぎ眠ったり煮炊きできるような構造となると自然にこういう形の住居になるのだと思います。この住居は葦が見事に整えられており、これは茅葺職人が作られたものだとか。
DSCN6272

楢落葉
大中遺跡公園内にはコナラ、クヌギ、ケヤキなど遺跡から発掘された史料をもとに当時生えていたと思われる樹木が植えられています。この日は暖い日でしたが、時おり凩の前触れのような風が吹き色づいた木の葉を散らしていました。
DSCN6265


このページのトップヘ