優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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三の丸広場を出て大手門へ向かう途中の桜並木の下には、池を泳ぐ鯉や花手水などがプロジェクションマッピングで投影されています。小さな男の子が泳いでくる鯉をつかまえようと何度もそこへジャンプしていました。
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第二次本多時代(1682-1703)に描かれた「播州姫路城図」によれば、城の東側にあたる現在の三の丸広場に「永遠の池」があり、対岸の向屋敷は詩歌や茶事など娯楽の場として用いられました。

藩主酒井忠以(1756-90)の残した『玄武日記』には、客人と池を漕ぎ渡り、お茶屋で夕茶初立を楽しんだことが記されています。「鏡花水月」では、この池を四つの巨大な水盤で再現し、そこに映る”逆さ城”の姿を楽しむことができます。
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昨夜は姫路城三の丸広場でおこなわれている「鏡花水月」へ行ってきました。お城へ通じる大手前通りにもイルミネーションが施され、師走が近いと感じました。まだそれほど寒くはなく、薄手のダウンジャケットだけで十分でした。

姫路駅の前には撮影スポットがいくつかあり、外国人観光客も撮影しています。姫路はまだオーバーツーリズムというほどの観光客数ではありません。
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先日お勧めにリュート音楽があがってきて、以来それをBGMに聴いています。ポピュラー音楽はもちろん、クラシック音楽すら、何か考えたいときには邪魔になります。しかし、リュートの典雅な旋律は邪魔にならず空間を穏やかにしてくれます。

かつて隆盛を極めたリュートはバロック期の終焉とともに衰退しました。20世紀になって復興したのは、録音技術の発展も一因では、と思います。現代演奏されている楽器は古典楽器を研究して復元されたものです。
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天地真理と岩崎宏美のカバー比較ですが、同じ年ごろで同じ曲を歌っているのは先の3曲程度です。岩崎宏美は2003年から「Dear Friends」シリーズで昭和の名曲をいろいろ歌っています。ただ、すでに40代半ばからの歌唱で、20代の頃とは声質が違っています。

歌手は身体が資本の仕事、声帯は消耗品です。最高の声質で歌えるのは10代後半から、長く見積もっても30代前半までくらいです。J-POP歌手の代表曲の大半はその時期に発表されたもので、その後の活動はその余波に乗っているといえるでしょう。

岩崎宏美は天才ですが、それでも40代半ばともなれば、天衣無縫のボーカルとはいかず、それまでに培ったテクニックで聴かせる歌手へと変貌しています。天地真理が残しているのは20代の歌唱であり、そこに彼女の魅力が結晶しているのです。
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「鏡花水月」では三の丸広場に8台のタワーを設けそこから光を放出して空にオーロラの世界を演出し、地上には6万球のイルミネーションを設けて波紋や水を表現しています。それらが音楽に合わせて変化し、天守と現代アートのコンビネーションで楽しませてくれます。

水面に富士山が映り込む姿を「逆さ富士」と呼びます。この夜の三の丸広場には「逆さ城」が出現していました。
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姫路城ライトアップ「鏡花水月」は12月2日から11日の17:30〜21:00まで、姫路城三の丸広場で開かれています。大手前交差点の信号を渡るとお堀に浮かべられたいくつものバルーンが見えてきました。

鏡花水月とは、鏡に映る花や水に映る月のように、目には見えるけれど、手に取ることができない、そんな儚い美しさや趣を表す言葉です。光で演出された冬ならではの姫路城の美しさを堪能しました。
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大講堂は内・外陣に分かれ、内陣には感阿上人作の釈迦三尊像(986)が安置されています。もみじまつり中はこちらを拝観できます。蓮台に座した釈迦如来は人々の不安を取り除く施無畏印と願いをかなえる与願印を結んでおり、向かって右に普賢菩薩、左に文殊菩薩を従えています。
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昨日の朝、初めて車のヒーターを入れました。部屋にはまだ暖房器具を出していません。冬に使う唯一の暖房器具が電気ストーブです。電気代もあがっていることですし、できるだけ使い始めるのは遅くしたいと思っています。

昼間は晴天で気温が20℃を超えました。これくらいの温度が最も過ごしやすい気温です。ずっとこれくらいだったらいいのにと思いますが、そうするとめりはりが失せるでしょう。俳句も四季の変化、移り変わりがあってこそ初めて生まれます。
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