優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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夏浅し
次に龍巻地獄へ行きました。間欠泉で30〜40分間隔で噴き出します。行ったときは運良く噴出が始まったばかりでした。2mほどの高さの石組の中に噴出してきますが、実際は約50mまで噴き上がるといいます。

温泉地の中なので、このように石組で囲わざるを得なかったのでしょうが、もし自然のままに放置していたらさぞ豪快な眺めだったでしょう。間欠泉が箱庭化されているような雰囲気です。
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はつなつ
海地獄は珊瑚礁の海を思わせる青緑色の熱水の池です。従来は含まれる硫酸鉄によるものとされていました。しかし、近年は研究が進み二つの理由がわかってきています。

第一は水深の深さ。池は漏斗状をしていて最深部は数十mあります。第二は含有するシリカという成分による日光反射。毎日湧出する新鮮な温泉によってシリカ結晶が適度な大きさに保たれているのです。
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睡蓮
地獄めぐりは別府観光の定番ですが、全部回るには時間がないのでまず国指定名勝の海地獄へ向かいました。地獄の中ではここが最も規模が大きいようです。温泉熱を利用してアマゾン原産の熱帯性睡蓮を栽培しています。

温室では巨大なオオオニバスが育てられているようで、こちらのマスコットキャラクターはその葉の上に乗った鬼です。通行証にもそれが使われています。
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若葉風
明礬地獄の岡本屋で地獄蒸しプリンと塩卵をいただきました。ほのかな苦味のあるカラメルが濃厚な味わいです。

明礬地獄は寛文6年(1666)、日本で初めて明礬を採取し始めました。それ以来、藁ぶきの湯の花小屋で今も変わらぬ製法でつくられています。藁ぶき小屋なのは中の湿度を一定に保つためです。
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若葉
今回の旅は姉といっしょに来ています。大分県は亡くなった義兄の故郷で実家があり、同胞がこちらにいます。この日は義兄の姉の次女が運転する車で観光案内してもらいました。

最初に行ったのが明礬地獄です。市街地から山側へ北西に上っていき、岡本屋売店に車を停めました。江戸時代から続く明礬採取の史跡名所で車を降りると硫黄の香りがしました。

駐車場の正面からは九州自動車道の橋脚越しに別府湾、高崎山、佐賀関半島が見渡せます。山側に藁ぶきの竪穴式住居のような湯の花小屋が並んでいました。
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初夏
別府は源泉数、湧出量ともに日本一の温泉地です。花べっぷは温泉宿には珍しく男女の浴場が固定していて、女湯は乙姫といい、内湯、外湯、ミストサウナがあります。

夜に外湯で出会ったのは明石の方でした。前日はもっと大きな宿に宿泊されて外国人観光客が多かったそうです。ここはこじんまりして落ち着ける、と喜んでおられました。
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夏野菜
強肴には、豊後牛ヒレ肉のローストが出ました。そこに独活、ブロッコリー、トマト、キャベツ、じゃがいも、ひげニンニク、ドルチェパプリカ、サラダバジル、塩ふき椎茸が添えられ、山葵、なずなの塩がついてきました。

肉は柔らかくジューシーで山葵と塩双方の味付けを楽しみました。献立を見ると、食材はすべて大分産や九州産で、信頼できる生産者から品質のよいものを仕入れておられるのがわかりました。
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はつ夏
魚料理は大分県産鯛のポワレ・ベシャメルソース。海を思わせる青いお皿に塩をさっと流し、レッドツリーマスタード、ツリーマスタード、マッシュポテト、メークインチップ、ズッキーニ、ステーキ椎茸、温泉パプリカが添えられています。彩の美しさも味わいます。
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鮎並
蓋物は旬野菜とアイナメの味噌仕立て。金色の蓋を開けると竹の子、新牛蒡、新玉葱、スナップエンドウとアイナメにとろりとした味噌がかかっています。

アイナメは日本沿岸の岩礁部に生息するカサゴ目アイナメ科の魚。一年中美味しいですが、旬は産卵前で脂がのった夏です。白身魚ながら脂が多く美味しい魚です。
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夏料理
お造りは蓋に椿が描かれた陶器の箱型の入れ物に盛り付けられて出てきました。お造りがこういう容器に入って出てくるのは珍しい。大分県産の鰤、ヨコヅーナと名づけられた豊後まぐろ、カボス鮃です。
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