優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:古典派


YouTubeでハイドンのピアノ協奏曲にふれたのがきっかけで、18世紀から19世紀初頭の音楽を片っ端から聴いています。クラシック音楽の中では古典派に分類され、日本ではハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの3人が有名です。

絶対王政の封建主義から近代民主主義への移行期で、クラシック音楽が最もクラシック音楽らしく形作られた時代だといえると思います。誰がどこの宮廷で活躍したのかなど背景知識もあわせて聴くとさらに面白いです。

この時代に限っただけでもものすごい数の録音が残されており、YouTubeを使えばそれらを無料で好きなだけ聴くことができます。好みの作曲家を見つける楽しさがあります。すでにパイジェッロガッティを見つけました。
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三月
ハイドンと同じ古典派前期に活躍した作曲家にボッケリーニ(1743-1805)がいます。ハイドンやモーツァルトに比べると今ではややマイナーな印象ですが、チェロの名手でもありました。20世紀になってから再評価が進んでいるようです。

ボッケリーニの音楽も明るく軽やかで優雅です。これは古典派前期の特徴で、彼らが王侯貴族に雇われていたからです。軽やかで明るい旋律は当時の貴族が求めたものでした。雇い主の好みにあわない曲を作っていては解雇されてしまいます。

フランス革命を経て顧客が王侯貴族から市民階級へと変わったロマン派の音楽では、ドラマチックで重いものが増えていきます。ベートーヴェンは古典派に分類されていますが、曲の雰囲気からするとロマン派の先駆けと感じられます。
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落葉
ハイドン(1732-1809)の音楽をYouTubeで聴いています。膨大な作品数であるためほんの端をかじっただけですが、ピアノソナタ集を聴いて、モーツァルト(1756-1791)と似ているなあと思いました。それは当然で、二人は同じ古典派で親交がありました。

ハイドンはモーツァルトの才能を高く評価し、モーツァルトはハイドンを深く尊敬していたそうです。ハイドンの生きた時代は啓蒙専制君主、フランス革命、ナポレオン登場など欧州が大変動していく時代でした。

少年時代、彼はウィーンの聖シュテファン大聖堂の聖歌隊に所属して歌い、当時20代のマリア・テレジアにお目見えしています。そして、ナポレオンがウィーンに侵攻する中で亡くなっているのです。年代別に歴史と照らし合わせて聴くのも面白いでしょう。
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木守柿
Spotifyの公開プレイリストにハイドンが出てきました。ハイドンはモーツァルト、ベートーヴェンとともに古典派の三大巨匠といわれています。しかし、あとのふたりと比べて日本ではそれほど親しまれてはいません。

モーツァルトもベートーヴェンも私は好きです。古典派の特徴は美しく親しみやすい旋律と様式美です。古典派の残るひとりであるハイドンをもっと聴いてみてもいいのではないか、
と思いました。

ハイドンの弦楽四重奏曲第77番「皇帝」:第2楽章「神よ、皇帝フランツを守りたまえ」は現在のドイツ国歌です。ハイドンは77歳まで生きました。35歳で亡くなったモーツァルトの倍以上です。作品数も膨大で、交響曲の父と呼ばれています。
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