優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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春日和
最後に参拝したのは、弘法大師・空海が生まれたところにある75番札所・善通寺です。空海は774年(宝亀5)讃岐国多度郡屏風浦で生まれました。父は郡司・佐伯直田公(さえきのあたいたぎみ)。幼名を佐伯真魚(さえきのまお)といいました。IMG_2374
善通寺は直田公から土地の寄進を受けて813年(弘仁4)に落成したといいます。寺号は父の法名からとられています。寺域は広大で、伽藍のある東院と生誕地とされる西院に分かれています。
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東院には1902年(明治35)に完成した四代目の五重塔が建っています。四国霊場で五重塔があるのは四箇所だけですが、そのうちの二つをこの日見ることができました。IMG_2375
西院は「遍照金剛閣」の扁額があがった仁王門をくぐり、空海の生涯を順に描いた絵馬がかかっているところを通って御影堂に詣でるようになっています。IMG_2376


遍路
次に70番札所・本山寺へ行きました。ここには1910年(明治43)再建の五重塔があります。本堂は1300年(正安2)に京極氏と佐々木氏の寄進によって再建され、国宝。仁王門は室町時代中期の建立で重要文化財。これ以外にも多くの文化財が広い境内に立ち並んでいます。
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仁王門のそばに西洋人らしい若い男性が、「南無大師遍照金剛」と書かれたお遍路さんの装束を着て座っていました。歩き遍路をしているようです。これ以外にも途中で同じ装束の金髪の女性を見ました。IMG_2369
日本人でもサンチアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩く人がいますから、それと同じようなものでしょうか。「遍路」は春の季語です。今なら、四季を通じて車で回ることができますが、歩き遍路しかなかった時代は季節のいいときに多く、その名残でしょう。IMG_2371


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