優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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春の午後
日本庭園を出た後はJR阪和線の百舌鳥駅に向かいました。すぐ隣に履中天皇陵古墳(ミサンザイ古墳)があり、大仙古墳に次ぐ大きさがあります。ここを周るには時間が足りず、また別の機会に譲ることにしました。

このあたりには小さな古墳がたくさんあり、百舌鳥駅のすぐ近くにも収塚古墳や長塚古墳といった古墳があります。壊されてしまった古墳も多々あるでしょうが、これだけ残っているのは凄いことです。
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桃源台は泉北丘陵を想定し、周りに梅、桃、桜、牡丹などの花木が植えられています。建物の青い瓦が印象的で、何となく日本風ではないと感じました。堺市の友好都市である中国の連雲港市のイメージが重ねられ、建物の床の部分には盤石に流れの源が刻まれています。

南から獅子の口を通じて流れが始まり、曲水をへてやがて広い池泉に入っていきます。これは海を表し、世界に向けて開かれていた堺市の歴史を示しています。
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梅、桜、椿など春の花があちこちに咲いており、華やかでした。日本庭園は中央部の春燕橋あたりが最も狭く、上から見ると細長い瓢箪のような形をしています。やがて池は流れとなり、桃源台に至ります。
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たいりょうざくら
日本庭園でも大漁桜が満開でした。原木は熱海の網代漁業組合の網干場にあり、花の色が桜鯛に似ていることからこう名づけられました。早咲きのオオシマザクラに寒桜を交配して作出されたそうです。

オオシマザクラはソメイヨシノの一方の親であり、花びらが大きいのが特徴です。それを受け継ぎ、寒桜の濃い花の色を加えて見栄えのする見事な桜になっています。
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春の日
ここは結婚式の前撮りスポットとして利用の多いところのようです。写真映えする場所のひとつが、池泉にかかる橋です。池泉の中に設けられた小島をつないで印月橋、映波橋という二本の橋があり、印月橋でひと組の撮影が行われていました。

コロナ禍で結婚式の規模はさらに縮小し、こうしたフォトウェディングの需要が高まっているのかもしれません。
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はくれん
築山式廻遊式庭園の歩道にそって歩きました。休憩舎からやや高くなっている甘泉殿へ、さらに傘亭へ向かいます。

このあたりからは庭園の外、すぐ西側に建っている大仙小学校が見えました。校歌には「仁徳天皇陵」が採用されていることでしょう。校舎の前でハクモクレンが満開です。
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雛飾る
休憩舎は堺の納屋衆の集会所を想定して建てられた数寄屋風寝殿造りです。しかし、休憩舎という名前はちょっとどうかと思います。もう少し情緒的な想像をかきたてるような名前にしなかったのはなぜ?
 
この日本庭園にも独自の名前はなく、「大仙公園日本庭園」という、そのまんまの名称です。市民からネーミングを募集するとか、もっと工夫があってもよかったのでは、と思います。せっかく市制100年を記念して造った庭園なのに。

正面玄関から奥を見ると開け放たれた寝殿の窓越しに池泉の向こうの廬山が見えます。室内には七段の本格的な雛人形が飾られていました。明暗のコントラストが鮮やかで見事。
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椿
大仙公園の西側の一画に日本庭園があります。堺市制100周年を記念して造られた築山林泉廻遊式庭園、設計は足立美術館庭園なども手がけた中根金作です。庭は立派なもので、何組かのカップルが結婚式の前撮りを行っていました。

しかし、残念なことに肝心の池泉の水の大半が抜かれて太いホースが這っていました。清掃作業中とのことでしたが、入場料200円がそのままというのはいかがなものかと思いました。池と周りの建物や植物とのバランスにこそ庭園最大の魅力があるのでは、と。

池泉には極力目をやらず、他のものを楽しみました。休憩舎の前では椿の盆栽が多数展示されていました。いずれも見事なものです。もしかしたら、これで池泉の見栄えの悪さをカバーしたのでしょうか?
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枝垂桜
大仙公園内では枝垂桜も咲きだしていました。子ども用の遊び場があるせいか、幼い子を連れた家族を多く見ました。堺市は人口81万人あまり、大阪府では二番目に大きい政令指定都市です。

百舌鳥・古市古墳群を上空から撮影した画像を見ると、古墳の際まで住宅地がびっしりと迫っています。世界遺産に指定された理由のひとつがこうした場所にこれだけの規模の墳墓群が残っているということだったそうです。
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御陵通りを渡り大仙公園に入りました。孫太夫山古墳、竜佐山古墳という陪塚が大仙古墳とは垂直にまるで飛鳥の方角を指すように並んでいます。バーベキュー広場で肉を焼く香りが漂っていました。

いこいの広場を歩いて行くと桜が何本も咲いています。ソメイヨシノとしては早すぎるので河津桜かと思いましたが、大漁桜という品種のようです。そのあたりでお弁当を広げている人たちの姿があり、私たちもそうすることにしました。
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