優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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秋深し
工楽松右衛門旧宅は本瓦葺き木造2階建の江戸時代後期の建物です。1階は通り庭に井戸や炊事場があるほか9部屋が、2階には7部屋があります。平成28年(2016)に高砂市が工楽家より旧宅の寄付を受け、可能な限り当初の建築様式に復元しています。

1階玄関土間から上がっていく中の間の床板は釿(ちょうな)で仕上げられていました。2階へあがる階段からは土間吹き抜け部分の太い梁が見えます。
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爽やか
ランチの後、隣にある工楽松右衛門旧宅へ向かいました。工楽松右衛門(1743-1812)は漁師の息子として高砂市東宮町に生まれました。少年時代に兵庫津(神戸市兵庫区)に出て船乗りになり、御影屋を名乗って海運業をおこないます。

脆弱で長持ちしなかった北前船の帆を改良し、二倍以上の耐久性を持つ帆を考案。松右衛門はこの製造法を秘密とせず多くの職人に伝えたため「松右衛門帆」と呼ばれ、全国に普及しました。今で言えばハイテク技術を無償公開したようなものでしょう。

さらに幕府や藩の依頼を受け函館、択捉島、鞆の津など全国の港を改築します。これにより、幕府から「工事を楽しむ」「工夫を楽しむ」という意味の「工楽」という姓を与えられます。「人として天下のために役立つことを考える」というのが彼の信条でした。
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