優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:当麻寺

春浅し
二上山の麓に立つ当麻寺は用明天皇の皇子麻呂子王が推古天皇20年(612)に河内に建てた万宝蔵院が始まりで、天武天皇白鳳11年(681)に麻呂子王の孫である当麻国見が現在地に移し、この地の豪族当麻氏の氏寺として整備したと伝えられています。

金堂、講堂が南北一直線に並び、金堂の南方に東西二つの三重塔が建っています。さらに、本堂、薬師堂、仁王門などが独特の伽藍配置で並んでいます。古代に建立された東西ふたつの塔が完全な形で残っているのは当麻寺だけです。IMG_1120
IMG_1122

春早し
当麻寺の仁王門の仁王様たちは、やや頭が大き目のプロポーションでした。仁王門をくぐっていくとすぐそこに国宝の梵鐘があります。奈良時代前期のもので、日本最古の梵鐘とのことです。ひび割れがあり、現在は台座の上に載せられて、もう撞かれることはありませんが、白鳳時代(673-710)の鋳造当初の姿をとどめる貴重なものです。IMG_1113
<仁王門>

IMG_1115
<仁王像>

IMG_1118
<国宝・梵鐘>

蓬餅
近鉄当麻寺駅のすぐ前に、中将餅で知られる中将堂本舗があります。中将という名は当麻寺にゆかりの中将姫にちなんだものです。中将姫は若くして仏道に精進し、当麻寺に伝わる『当麻曼荼羅』を織ったとされています。

中将餅は当麻の里に古くから伝わるあんつけ蓬餅です。こし餡が載ったひとくち大のお餅で、ぼたんの花びらをかたどっています。店舗で作られており、その隣で煎茶とともにいただくことができます。

上品な甘さのこし餡と蓬の香りがするお餅のとりあわせが絶妙でした。まわりの調度品やお花などもいい雰囲気で、春淡い風情が漂っていました。IMG_1108
IMG_1103


白梅
二上山に登ってきました。近鉄南大阪線の当麻寺駅から出発しました。途中ふと横を見たら、路地の奥に白い花を咲かせた木が。一瞬、桜かと思ったくらいでしたが、路地を進んで近づいていくと梅の香りがしました。この時期桜はどう考えても早い。住宅地の中にぽんとこんな大きな梅の木が残っているのが、さすがに奈良だと感じました。IMG_1111
IMG_1110
IMG_1112

このページのトップヘ