優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:後醍醐天皇

万緑
吉野神宮は後醍醐天皇を祀る神社です。崩御の後、吉水院で仏教形式で供養されてきましたが、明治政府の神仏分離政策により、吉水院は吉水神社になりました。その後の明治25年(1892)、明治天皇の意向でこの地に社殿が竣工しました。

近鉄・吉野神宮駅からは1kmほどの上り坂です。近づいてみて、昨日この前をマイクロバスで通ったことに気付きました。鳥居をくぐって参道に入るとカエデやヤマザクラの青葉が瑞々しく、汗がひいていきました。
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ささゆり
吉水神社の境内には「ここにても雲居の桜咲きにけり ただかりそめの宿と思ふに」という後醍醐天皇の歌碑が建てられています。吉野の皇居はかりそめのものと思った天皇でしたが、京に戻ることはかないませんでした。しだいに南朝が劣勢となるなかの延元四年(1339)、後醍醐天皇は吉野の金峯山寺金輪王寺で52歳の生涯を終えています。
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梅雨に入る
蔵王堂のほど近くに吉水神社があります。ここはかつては吉水院という修験道の僧房でした。延元元年(1336)建武の新政の崩壊後、後醍醐天皇が幽閉されていた京都を脱出し、ここに南朝を開きました。南北朝時代の始まりです。

京都御所の規模からすれば考えられないような僻地の小さな僧房ですが、それでも名目上は皇居であり、南朝四代57年の歴史がここから始まりました。明治維新で南朝を正統とした新政府により吉水神社と改められ現在に至っています。
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