優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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春深む
湊川神社は地元では楠公(なんこう)さんとして親しまれています。この日も結婚式のほか、お宮参りの家族連れも見かけました。

神社の周りにはクスノキが多数植えられています。クスノキはクスノキ科ニッケイ属の常緑高木で、生育スピードが早く暖地で巨木になる傾向があります。日本では関東地方南部以西から本州の太平洋側、四国、九州、沖縄に広がります。

特に九州では分布が多く、日本全体の80%を占めています。それゆえか、佐賀県、熊本県、鹿児島県の県木です。兵庫県の県木なのは、楠木正成にゆかりがあるというのが選定理由のひとつだそうです。
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4月11日でしたが、和楽園の前の通りに沿うソメイヨシノはほぼ葉桜になっていました。葉桜のむこうに塩田川にかかる橋の赤い欄干が見えます。その上流奥の対岸に「シーボルトの湯」という公衆浴場があります。

シーボルトは出島に滞在したドイツ人医師です。文政9年(1826)オランダ商館長の江戸参府に同行しました。そのとき嬉野温泉に立ち寄り詳しい記録を残しています。シーボルトがこの温泉に寄せた関心の深さにちなんで命名されたようです。

彼はここの森林のブナやヒノキの圧倒的な迫力、モミジ、ヤマツツジの美しさ、タンポポ、アザミなどについて記述していることから、今頃の季節に嬉野温泉に滞在したと思われます。
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