優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:松田聖子

秋の朝
音声合成AIの仕組みは平たく言えば、原曲に使いたい声をはめこみ調整していくようです。松田聖子「制服」(1982)、菊池桃子「卒業」(1985)、斉藤由貴「卒業」(1985)これらは、高校の卒業式で好きな彼への想いを歌っているという似たコンセプトの曲です。

音声合成AI岩崎宏美で聴くと、「制服」は心地よく聴けるのですが、あとの二曲は「岩崎宏美はこんな貧弱な歌唱力だったか?」と感じます。原因は原曲の歌唱力の差です。歌唱力がない人でも歌えるように作られているため、曲自体が平板で退屈です。

聴かせるに足る曲を歌う力が松田聖子にはあり、菊池桃子や斉藤由貴はそれを持ち合わせていなかった。ただ、彼女たちの当時の写真を見ると、はっとするほどの美少女ぶりです。歌唱力が無くても、美しければ数年はアイドルとして売ることができたのです。
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秋の蝉
音声合成AI岩崎宏美の100曲に及ぶ歌の中に、松田聖子のものが3曲あります。岩崎宏美は松田聖子と相性がいいのかもしれないと思いました。音声合成AIでは、歌唱方法はオリジナルを使っているとのことです。

「青い珊瑚礁」(1980)には、1975年のライブアルバムの声をトレーニングに使っています。聖子18歳の歌を宏美16歳の声が歌っているわけです。岩崎宏美は松田聖子の三歳年長ですから、現実ではありえません。

ふたりの10代時点での共通点は、澄んだ高音部の抜けのよさ、歌声にあるはつらつとした明るさです。すかっとした開放感を持ちつつ繊細さもあり、聴いていて心地よいです。
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稲穂波
音声合成AI岩崎宏美は松田聖子の曲もいくつか歌っています。その中に「制服」という曲があります。卒業式の日の同級生の彼に対する想いを歌った曲です。「赤いスイートピー」(1982)のB面と知って驚きました。とてもいい曲だからです。

松田聖子は1980年4月当時18歳でデビュー。岩崎宏美は1975年4月当時16歳でデビューしています。ふたりとも長く現役で活躍しているのは、素晴らしい声質を授かっていることが大きいです。歌手は何より声の質だと私は思っており、これは天賦のものがすべてです。

「制服」の松田聖子とAI岩崎宏美を聴き比べると、ふたりの声質の違いがわかります。松田聖子の声は甘く透明感があり、岩崎宏美の声はキレとパワーがあります。AI松田聖子で岩崎宏美の「ロマンス」(1975)などを歌わせてみたら面白いと感じました。
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