優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:森山良子

時雨
ソニーミュージックの、天地真理『私は歌手』のサイトに「天地真理への100の質問」があります。そこで彼女は「岩崎宏美さんと同じ現場になると、歌がうまいなと思っていました。自分の番を忘れるほど(笑)」と語っています。

二人のナンバーを聴いてきて、二人の歌声には共通点がある、と感じました。どちらも空を連想させるのです。若いころの岩崎宏美の歌声は澄み渡った秋の空を、天地真理の歌声は少し霞みがかかった春の空を思い起こさせます。

天地真理の1stアルバム10曲目に入っている『恋は水色』、原曲はヴィッキー(当時18歳)です。77年に岩崎宏美(当時18歳)が森山良子とデュエットしている動画がありました。この頃の岩崎宏美の声は天下無敵です。
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冬の紅葉
天地真理は現在に続く「アイドル」の系譜の最初の姿を作った人です。そのビジュアルに注目が集まりすぎ、歌の実力はほとんど顧みられていなかったようです。しかし、本家をしのぐのではないかと思うようなカバーも残しています。

さきにあげた『涙から明日へ』がそうですし、今回は『この広い野原いっぱい』を取り上げます。原曲は67年に森山良子(当時19歳)が発表しました。天地真理は72年9月21日(当時20歳)リリースのアルバムからです。

森山良子がやや淡々と突き放したように歌うのに対し、天地真理の歌は幸福感に満ち、とにかく明るく希望に満ちています。笑顔で手をふりたくなるような感覚なのです。これが天地真理の最大の魅力だろうと思います。
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