優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:水色の恋

聖樹
全盛期の天地真理の歌は、YouTubeでも1stアルバムから8thアルバムまで聴くことができます。歌の内容も明るいですし、フルファルセットで歌う独特の歌声が、すべての曲に彼女にしか出しえない明るさを与えています。

全盛期の彼女は輝く瞳と白い歯の明るい笑顔が魅力的です。ただ、歌だけを聴いていても、まるで声自身が微笑んでいるかのようです。なぜそのように聴こえるのか不思議なのですが。そのため、失恋の歌さえ痛みよりも明日への希望を感じます。

デビュー曲の『水色の恋』(当時19歳)は別れの歌です。淡い初恋、手を触れることすらかなわなかったような恋を歌っています。さよならさえ言わなかった、けれど心のどこかにその思いを持ち続け明日へ歩み出す、そういう歌になっています。
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銀杏落葉
天地真理と藤圭子は同い年なんですね。天地真理は51年11月5日、藤圭子は同年7月5日生まれです。藤圭子の声もYouTubeで聴いて、いいなあと思っていました。彼女たちが活躍したころは歌番組の隆盛期で、演歌もJ-POPも全部「流行歌」でした。

藤圭子の方がデビューはやや早い69年、つまり18歳になったばかりで『新宿の女』を歌ったわけです。天地真理のデビューは71年10月の『水色の恋』なので20歳直前です。二人とも歌と容姿があいまって爆発的な人気を獲得しました。

天地真理は元祖アイドルであり、後のJ-POPの源流のひとりになります。藤圭子の娘は宇多田ヒカルです。母娘そろって日本の歌謡史に大きな足跡を残す稀有な存在になりました。
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冬紅葉
さて、天地真理を聴く日々が続いています。1stアルバムは71年12月21日(当時20歳)にリリースされ、デビュー曲『水色の恋』以外はすべて内外のカバーです。今は1曲単位の配信なので、アルバムという概念がなくなってしまったかもしれません。

この半世紀は音楽を聴く方法が大きく変化していった時代です。50年前はまだLPレコード、それを聴くための高価なステレオ装置が必要でした。カセットテープが一般に普及したのは70年代に入ってからです。

ウォークマン発売は79年。音楽を持ち歩けるようになりました。そしてCDは88年に発売。90年代に入ってインターネットが登場し、2010年代以降本格的にストリーミングが開始され、今ではそれが主流になっています。
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