優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:氷ノ山


いつもなら山に登った後は立ち寄り温泉へ行くのですが、氷ノ山へ登ったこの日は帰りが遅くなり、温泉は見合わせてすぐに帰りました。帰りの車の中で、今日は参加していないメンバーともLINEで連絡をとりながら次回の日程を決めました。

兵庫県の日本海側はずわい蟹の水揚げ漁港が並んでいます。北陸では越前蟹、山陰では松葉蟹と呼ばれています。11月上旬から3月半ばまでのシーズンはJR西日本が運行するかにカニ日帰りエクスプレスが毎日走っており、今年もシーズン中に出かけようという話が決まりました。IMG_0317
IMG_0320



釣瓶落し
下山は東南方向に杉林の中をくだり、ブナの巨木が現れると神大ヒュッテです。左にコースをとり、東尾根をくだります。ベニドウダンなどツツジの群生地でこれらが紅葉し、とてもきれいでした。

しかし、午前10時前と登り始めるのが遅かったこと、いつも登っている山よりも氷ノ山はスケールが大きいことなどが重なり、さらに下山路が山の陰に入っていたため、だんだん夕暮れの気配が濃くなってきました。東尾根避難小屋からさらに左に折れて階段状の急坂をどんどん下り、氷ノ山国際スキー場の林道を目指しました。

林道に出てからまだかなりの距離を歩かねばなりません。先を急いでいたら、背後から車が来ました。ドライバーが停車して声をかけてくださったので、「車に載せてもらえませんか」とお願いしました。

ひとりなら、ということで、今回車を出してくれたメンバーだけが便乗し、親水公園まで送っていただき、車に乗って戻ってきてくれました。歩いていれば20分以上かかったでしょう。早く登りはじめて早めに降りる、日暮れの早い秋冬は特にそれが重要です。
IMG_0327
IMG_0329

晩秋
頂の少し離れたところにバイオトイレが設置されています。山頂の湿原は西日本では貴重なもので、富栄養化すると、その自然が失われてしまうため、周辺で用便しないように、との注意書きが避難小屋の中にありました。

このトイレの設置状況などについて書いてある説明板には「鳥取県」とありました。トイレが設置してある場所は県境を越えた鳥取県側なのかもしれません。しかし、それにしても、兵庫県の最高峰と謳っていながら、兵庫県を示すようなものが頂周辺には何もありません。

今日は平日で登山者は少ないのですが、それでもメインの登山口である親水公園には島根、大阪など県外ナンバーの車が何台も停まっていました。兵庫県、もっとアピールを、と言いたいです。
IMG_0326
IMG_0328

冬隣る
氷ノ山は兵庫県の最高峰です。約300万年〜200万年前の火山活動で形成され、1,000m級の基盤岩類を溶岩が薄く覆っています。先日訪れた北海道の支笏湖が4.4万年前の火山活動で作られたのに比べると、かなり古い山地です。ブナ、ミズナラ、トチなどの森があり、山頂周辺はチシマザサが生い茂っています。

山頂からは但馬、鳥取、奥播州の山々が見渡せました。見通しがよければ大山や日本海まで見えることもあるようですが、この日はそこまでは見えませんでした。頂上には避難小屋があり、そこで一休みしました。すでにお昼はだいぶ過ぎていたので小屋にいたのは私たちだけでした。
IMG_0324
IMG_0325

冬支度
やがて稜線の氷ノ山越に出ました。ここまで来るとお腹が空いていました。峠の向こうは鳥取県若桜町です。氷ノ山越に建っている避難小屋に入り、そこでお昼ご飯にしました。

氷ノ山は山スキーが盛んなおかげで要所にしっかりした小屋があります。中は火もたけるようになっていました。ここからは稜線上の兵庫県と鳥取県の県境を頂まで歩きます。このあたりまで来ると、背の高い木はしだいに減ります。

振り返ると鉢伏高原へと続く山並みが見えました。途中、鳥取方面へ下りるという人達に会いました。倉敷から来られたとのことでした。紅葉シーズンの週末なら大勢の登山者に会ったでしょうが、今日はウイークデイなので、静かな山歩きでした。
IMG_0322
IMG_0318
IMG_0323

紅葉
尾根の道を歩いていると、連樹にあいました。ホオ、ミズメ、コシアブラ、リョウブ、ネジキ、ナナカマド、マツブサという七つの樹種がひとつにからまりあい、支えあって立っています。自然の不思議です。IMG_0309
やがて、紅葉の間から眼下に集落が見えてくるようになりました。急傾斜は不動堂までで、その先は傾斜が緩んできます。晴れて暖かで紅葉も黄葉も輝くばかりに美しく、この時期に来てよかったと思いました。IMG_0313
IMG_0316

錦秋
少し登ると、布滝に出会います。さらに登っていくと左手の谷間にくの字形に曲がった不動滝が見えてきました。あたりは紅葉の盛りで見上げても見渡しても感嘆するような美しさです。尾根上の傾斜が急な道ですが、紅葉を楽しみながら登ればそれも苦になりません。
IMG_0301
IMG_0308
IMG_0306

黄葉
10月30日、兵庫県の最高峰である氷ノ山(1509.6m)に登ってきました。鳥取県との県境にそびえ、登山口は養父市、宍粟市、鳥取県側などにあります。今回は養父市の親水公園から登りました。

このあたりは豪雪地帯でブナ林が残り、新緑と紅葉が美しい地域です。ツキノワグマ、イヌワシの生息も確認されています。登山口までの道路が豪雨で一部損壊しており、修復工事中とあって手前のスキー場に車を停めようかとも思いました。そこへ運よく地元の方が来られ、「行ける」とのことで、親水公園まで走りました。

登山道は流れに沿っていますが、豪雨の影響でこちらもあちこち壊れており、川のそばの岩に赤ペンキで矢印がつけられ、臨時の登山道になっていました。コナラ、クヌギなど黄葉する木々が多く登山口からしばらくの間は黄葉の中を登って行きました。
IMG_0305
IMG_0303
IMG_0300

このページのトップヘ