優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:珈琲屋あまの

冬はじめ
今回の絵画展は三人展です。1年前までお互い存在を知らなかったというから驚きます。偶然イギリスやイタリアで開かれる著名な水彩画展で三人が同時入賞し、それが知り合うきっかけになりました。

そして、5月にここで開かれた橋本さんの個展を他の方が見に来られ、店の雰囲気を気に入って、ぜひ一緒にやろうということになったといいます。絵画は展示販売もされていました。画商を通すよりはるかに安く販売できるとのことでした。

「珈琲屋あまの」に来ていたのは絵画に造詣が深いような人たちばかりではありません。橋本さんの教え子や知り合い(私もそのひとりです)、近所のおばちゃんやおっちゃん、そういう人たちがコーヒー一杯を楽しみつつプロの絵画を見ることができます。
IMG_6649


十一月
「珈琲屋あまの」はこのあたりの古民家を喫茶店として転用されたものです。庭に続く門をくぐり中に入ると軒下に二枚のアクリル画が展示されていました。一枚は昭和46年(1971)に廃止された神戸市電を描いています。

作者の松本さんは、他にも播但線を走っていた三重連蒸気機関車、京口駅付近を走る蒸気機関車と姫路城なども描かれています。お店にいらっしゃったので、「鉄ちゃんですか?」と尋ねると「よわーい鉄ちゃんです」とのことでした。

前回の個展のときは平日の昼間に来たので、私一人だけでしたが、昨日は入れ替わり立ち替わり大勢のお客さんであふれていました。
IMG_6647


初夏
知人の水彩画と並んで古い書を屏風に表装した作品が並んでいました。恐らくこの古民家に昔からあったものでしょう。天井が取り払われているため太い梁が見え、今ではもはやこうした材を手に入れるのも難しいだろうと思います。

姫路市の中心部からそれほど離れていないので、私が住んでいる周辺には続々と家やアパートが建っています。しかし、古くからある集落では道路幅が狭いため、奥まったところにあって車が入れない家は放置されて空き家になっているところも珍しくありません。

建築から一世紀以上がたった後、リノベーションされて新しい役割を与えられ、新しい人の出入りがあるこの家は幸福な存在だろうと思います。
IMG_5934


皐月
喫茶の店舗に改修されているのは民家の一部のようでした。外に出ると皐月の美しい前栽がありました。庭の周りは土塀で囲われ左手には屋根付きの門があります。皐月の間を歩いて行くと石灯籠と今は空になった小さな池がありました。
IMG_5933


はつ夏
知人の個展が開かれた古民家喫茶は表からも裏からも入ることができました。私は車なので、裏に駐車して入りました。ご夫婦二人で店をやっておられるようで、この古民家を相続されたのだと思います。

「潰してしまおうという話もあったんですが」という言葉どおり、すぐ近くには古い家を取り壊した跡地に自然食品を扱う店ができていました。このあたりは増位山の南裾で、古くからの集落があり、その中を西国三十三番札所の巡礼道が通っています。

マスターが淹れてくださったコーヒーは美味しく値段も半額程度で驚きました。利益を追求するというより、古民家を活かすことを考えて店をやっておられるように思いました。
IMG_5932


涼し
先日、知人から水彩画の個展を開くという案内をいただいたので、出かけてきました。会場は築100年以上の古民家を改装した喫茶店。絵の題材はほぼ近所の風景です。何でもない街並みや建物、田畑が絵に描かれるとこんな風に変わるのか、と新鮮でした。
IMG_5935


このページのトップヘ