優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:瞑想

夜長
抗magニューロパチーによる疼痛を軽減するために瞑想を始めて三か月ほど経ちました。瞑想をしていると、頭の中にいろいろなことが湧いてきます。自分が何かを考えようと思っているのではなく、脳内に自然に湧いてくるのです。

脳は常にこういう状態で、アイドリング中の車みたいです。次から次へと「これはどう?こちらは?」という具合に私に提示してきます。私と脳は別の存在であるようです。

提示されているものを認識して流れ去っていくのを見ていればいい。提示されたものに飛びつくと、それに引きずられてしまいます。ただ見ているというのが簡単そうでなかなか難しいものです。
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抗magニューロパチーによる神経障害性疼痛に対して、プレガバリン300mgとツートラム50mgを毎日服用していますが、完全に治まることはありません。神経障害性疼痛は難治性の疼痛で、麻薬すら効きが悪いといわれています。

薬以外の鎮痛補助手段として少し前から瞑想をしています。「Japan healing 瞑想と癒し」というYouTubeサイトを見つけました。瞑想チャンネルの多くは誘導音声が入っているものですが、ここはそれが全くないのがいいです。

クリスタルボウル、シンギングボウル、おりん、鐘、自然の音などだけで構成されています。西洋音楽のような音階はなく、音の響きが人間の心身に響いて瞑想の効果をあげます。西洋と東洋の「音楽」の捉え方の違いに気づき興味深く感じました。
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宵闇
抗magニューロパチーでCIDPの患者会に入っています。疾病機序は異なりますが、症状が似ており、受診するのは脳神経内科で、特定疾患としてもCIDP関連疾患としてひとまとめにされています。

稀な疾患でありながら、同じ抗magニューロパチーの患者数人が顔をあわせても全員症状が違います。私は足趾の疼痛が強く、プレガバリン150mgとツートラム50mgを朝夕服用しています。薬だけに頼っていてはよくないと思い、瞑想を始めました。

これは効果がありました。疼痛が完全に治まることはありませんが、軽減するのに役立っています。朝晩10分程度から開始して、今は一回30分の瞑想をしています。作法にはこだわらず、椅子に座ってやっています。
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法師蝉
蝉と虫のシーズンが交差しながらしだい移り変わっています。瞑想にはYouTubeの動画を使っています。音声が入らない鐘、りん、クリスタルボウルなどの単純な音のみのものがいいです。10分、20分、30分など適宜使い分けています。

床に足を組んで座るのが一般的ですが、私は両足の指に疼痛があり、足の感覚が鈍いため椅子に座っておこなっています。それでも十分です。要は呼吸に集中して思考に引きずられないようにすればいい。

いろいろなことが浮かんできますが、それはそれとして、空に漂う雲をちらっと見るように、流していきます。あるいは漂わせておく。それが大事だとわかりました。足が自己主張しますが、それもそれとして漂わせておきます。
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鈴虫
昨夜は夜遅くから雲が出て朝にかけて雨が降ったようです。午後9時ごろにはまだきれいな月が見えました。朝は雨滴が残っていました。疼痛緩和のため、最近瞑想をしており効果を感じています。

瞑想をしてみようと思いついたのは電子ピアノで「バッハのインヴェンション」を弾いているときに疼痛を忘れられると気が付いたことでした。何か集中するものがあれば疼痛へ向いていた意識がそちらに向かいます。

ピアノ演奏では、丁度良い難しさの曲が必要ですが、瞑想の場合は呼吸に集中します。いろいろ浮かんでくるものの、それをちょいと棚上げにすることを覚えました。耳が鋭敏になるのか、窓の外で鳴いているスズムシの声に気づきました。
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盛夏
早朝、ひとりでヘッドフォンをつけてピアノを弾いているのが今の至福のひとときです。『マインドフルネスストレス低減法』などで知られるJ.カバットジンは、瞑想とクライミングの共通点について述べていました。

瞑想的な効果をもたらすのは、おこなう人間にとって適度な難しさを持つ活動だといいます。難しすぎても簡単すぎても意識の集中が続きません。今の私にとって「バッハ インヴェンション」は似た効果をもたらしてくれるのだと思います。

この演奏は私にとってほどよく困難であり、それをクリアできたときの満足感も十分にあるものです。音に集中して完全に疼痛を忘れている一瞬があります。
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夏の朝
抗magニューロパチーの診断をきっかけに、またピアノを弾き始めました。『バッハ インヴェンションとシンフォニア』を1から順番に練習し、現在4番まで来ています。

こどもの頃少しだけピアノの経験があり、以前買った安い電子ピアノで練習を再開しました。いま一番熱を入れてやっているのがこのピアノの練習です。朝食後ピアノに向かい1時間強弾いています。

弾いていると指の動きとは別に頭の中にとりとめもないことが浮かんできます。それに気づきつつ指の動きにその都度気持ちを集中させます。意外にもこれが瞑想に似ているのです。
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ヒーター
朝は5時過ぎに起きます。今頃はまだ真っ暗です。軽い朝食後、YouTubeを助けに瞑想を10分か15分ほどやります。瞑想をすると自分の心が常にどこかにさまよい出ようとしているのがわかります。足を組むと痛むので椅子に座ってやります。

心は脳のアイドリングのようなもので、人間は常にそういう状態にあります。常にぼんやりと注意をさまよわせていることが、進化過程では弱い存在だった人間にとって生存に欠かせなかったのではないか、と推察します。

しかし、それが今は逆にストレスを産んでいます。抗mag抗体陽性ニューロパチーで鎮痛剤の効き目も限定的だということを受け入れざるをえなくなったとき、本気で瞑想をしようと思うようになりました。
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