優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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春の海
祇園神社は祇園山の中腹にあり、すぐ隣を天王川が流れています。これらの地名はこの神社に依ったものでしょう。境内から南を望むと神戸市兵庫区の町並みが広がっています。

平清盛が福原京を開いたころ、ここからはどのような眺めだったのでしょうか。福原荘・和田荘、さらに兵庫五泊のひとつで、清盛が大改修し日宋貿易の拠点となった大輪田泊まで見渡せたはずです。
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春深し
貞観11年(869)といえば、東日本大震災で注目を浴びた貞観大地震のあった年です。貞観6年(864)からは富士山の噴火も続いており、疫病の流行も重なって社会不安が深刻化していました。

これらは怨霊の祟りであるとされ、それらを鎮めるために祇園御霊会が始まりました。さらに、怨霊を鎮める力を持つスサノオノミコトを広峯神社から分祠することになったのです。

それ以来1150年以上に渡って信仰を集め、安土桃山時代以降は8軒の家が宮座を組み、2軒ずつが1年ごとに神主役を奉仕してきたといいます。今日も御祈祷を受けに来ている人の姿がありました。
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坂道を登って、さらに八十八段の石段を登りきると祇園神社です。清和天皇の貞観11年(869)、姫路の広峯神社から京都の八坂神社に牛頭天王(ごずてんのう)を分祠した際、その神輿が平野の地で一泊しそれを記念してここに社を建てたのが始まりです。

牛頭天王はスサノオノミコトと同一視され、祇園精舎の守護神とされています。このあたりの地名に祇園があったのはそういう縁だったのです。
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