優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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入院していると楽しみは食事と入浴です。何もしなくても三食が配膳されるのは最高です。コロッケや天ぷらが揚げたてというわけにはいきませんが、品数は多く、先日の重陽の日の献立で感心したように、食事を楽しめるよう工夫されています。

デザートがついてきたり、茶碗蒸しの入れ物が陶器だったりします。私は普通食を食べていますが、糖尿病や腎臓病などさまざまな治療食、咀嚼や嚥下の具合によるきざみやとろみ食などいろいろな治療上の求めにも応える必要があります。

最近はベジタリアンとか宗教上のさまざまな制約を持った人の入院もあるでしょう。そうした人への配慮も求められるようになっており、大変だろうと思います。
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病室は7階の4人部屋です。最大6人は入れる構造になっています。それぞれの場所はカーテンで区切れるようになっており、閉めれば音声以外は個室状態になります。窓側のベッドではないため、外は見えません。

完全空調でここにいる限り季節も天候もわかりません。二日目の昨日から病棟内を少し歩いてみました。すると、南側の窓から金剛山が見えました。2016年12月にこの山に登りました。登れるときに登っておいてよかったなあと思います。
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本堂の左手には多宝塔があります。慶長6年(1601)に池田輝政によって再建されたと伝えられています。さらに宝永7年(1710)には土岐頼殷がこれを修理したと露盤銘に記されています。全体には和様・唐様を混ぜた江戸中期ごろの手法が見て取れるようです。

慶長6年といえば、関ヶ原の戦いの翌年であり、池田輝政は同年から姫路城の大改修にも着手しています。
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夏を象徴する花といえばやはりヒマワリです。夏の間背筋をのばして立っていた大輪のヒマワリも秋を迎え、種が実って頭が重くなりだんだんと頭を垂れてきています。夏の暑さに疲れた人のようで、「お疲れ様でしたねぇ」と一声かけたくなります。
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須磨寺は、仁和2年(886)光孝天皇の勅命により聞鏡上人が建立した真言宗須磨寺派の総本山です。奥の院に至る道には十三仏と七福神を巡拝できるよう整備されています。それぞれの神仏の真言が記されており、それを唱えて参拝できました。
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一ノ谷の合戦でよく知られているのは平敦盛です。敦盛は清盛の弟である経盛の末子、沖の船に逃れようと汀に馬を乗り入れていたところ、背後から熊谷直実に「敵に背中を向けて逃げるとは卑怯」と呼び止められます。

その場面が須磨寺の境内に銅像になって残されています。この後、敦盛は引き返し直実と組み合って馬上から落とされます。首を切ろうと直実が兜を押し上げると、自分の息子と同じ年頃の美しい少年です。敦盛は15歳でした。

なんとか命を助けられないかと直実は思いますが、背後に味方の軍勢が迫っています。泣く泣く首を落とした直実は、武家に生まれたものの身の辛さを嘆きます。敦盛は腰に笛を携えており、昨夜戦場に響いていた笛はこの人のものであったか、と直実は悟ります。
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須磨浦山上公園でフリーで使えるのはロープウェイ、カーレーター、回転展望台の三つです。カーレーターのイメージが湧きませんでしたが、一言で言えば、みかん山のみかんを運ぶ機械を人間用に大型化したものという感じです。

籠のような座席に座りそれがゆるゆると動いていきます。乗降時も止まりません。揺れが大きくて「妊婦は乗らないでください」と書いてあるほどです。日本でここにしかない乗り物だそうで、この乗り心地の悪さが今となっては昭和感満載の懐かしさになっています。
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ランチ会の後、場所を近所のコメダ珈琲店に移して話を続けました。姫路の中心街にはあまり来ることはありません。久しぶりに来て、並んでいる店の様子などがすっかり変わっているのに驚きます。このコメダ珈琲店も最近できたものです。昔あった喫茶店はほとんど姿を消しました。
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北海道の最後の夜は白金温泉の「森の旅亭びえい」に泊まりました。こじんまりとした宿で、落ち着いた雰囲気でした。白金温泉は十勝岳の北西斜面に位置し、宿は斜面の地形を利用した和風数寄屋造りです。

夕食には地元産の魚、肉、野菜が使用され、どれも「美味しい」としか言えない素晴らしいものばかり。大浴場は小さめでしたが、部屋に露天風呂がある部屋もあるらしく、大浴場で他の宿泊客に出会うことはありませんでした。
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次に美瑛町の「四季彩の丘」へ行きました。美瑛は丘の町です。ゆるやかに起伏する丘が続き、そこにさまざまな作物や花が植えられ、それが大地をパッチワークのように彩っています。地形と人の営みが協同して作り出す独特の風景です。
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