優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:自然学校

秋の陽
姫路港を出ると汽船はぐんとスピードをあげました。空は雲ひとつなく秋の日差しが穏やかな海面に反射しています。高度経済成長期から1980年代あたりまでの瀬戸内海は排水の影響で汚れていましたが、今は国立公園の名にふさわしい美しさを取り戻しています。

南へ向かう船から目をやると、航行する船の彼方に家島諸島の東端の上島が見えました。家島諸島には旧石器時代から弥生時代にかけての遺跡が見られ、すでにこの時代から人が住んでいました。
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秋晴るる
家島諸島は播磨灘に浮かぶ40余りの島々で構成され、そのうち家島、男鹿、坊勢が有人島で約4000人が暮らしています。採石と漁業が主な産業で、漁獲高は兵庫県一です。平成の大合併で姫路市に吸収合併されました。

家島諸島最大の西島にはかつて島民が住んでいました。しかし、水源に乏しいこと、地形が険しいこと、他の島から離れていることなどの理由で1970年代には最後の住民が去り、現在は島の南側の湾内を利用して自然体験センターが運営されています。

姫路港までは貸し切りバスで行き、定期便が無いため、そこから坊勢輝汽船のチャーター便で西島へ向かいました。よく晴れて船の旅は快適でした。
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秋の朝
10月16日から20日まで地元の小学校の自然学校のスタッフとして家島諸島の西島にある兵庫県立いえしま自然体験センターへ行ってきました。インターネットの接続がなく、はからずもデジタルデトックス生活を送ることになりました。

兵庫県では公立小学校5年生を対象に4泊5日の自然学校プログラムを実施しています。出発の朝は快晴で、ひと足先に先生方とスタッフが集合し、そのうちに子どもたちがぽつぽつと登校してきました。

どの子も巨大な荷物を抱えています。自然体験センターは船着き場の反対側にあり、峠を越えて1.2kmを歩かなくてはいけません。これで歩くのはきついぞと思いましたが、それも体験です。
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