荷風忌
永井荷風(1897-1959)は東京生まれの小説家・随筆家です。父の久一郎は実業家でしたが、荷風は早くから江戸戯作の世界にひかれ落語や歌舞伎の世界に入り浸りました。父は彼をアメリカに留学させますが、アメリカさらにフランスに滞在して帰国します。

その後、小説家としてデビュー。一時、慶応義塾大学の教授にもつきますが、私生活では周囲との軋轢が続き、二度結婚していずれもすぐに離婚しています。その後は「断腸亭」と名付けた住居で独り暮らしを続けました。

37歳のときから日記を書き始め、これは『断腸亭日乗』(1917/09/19-1959/04/29)として知られています。読み物としても戦中戦後の混乱期を描いた近代史の資料としても、荷風最大の傑作とさえ言われています。
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