優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:藤ノ木山自然公園

秋の山
稜線を北へ辿り、第一展望台で昼食をとりました。山へ行った時はコンパクトストーブでラーメンを作りみんなで食べます。下界でインスタントラーメンはほとんど食べませんが、こういうところで大勢で食べると格別な美味しさです。

山を歩いているあいだは日差しがほとんどない薄曇りで、まだ暑さの残る中、これはありがたかったです。野外活動センターの横へ下山し、駐車場に着いたときもまだ午後2時前だったので、それから近所の美術喫茶『白ばら』へ行きました。

高田賢三のデッサンが展示中でした。彼は姫路出身でKENZOブランドを世界的にしたファッションデザイナーです。滞在は1時間以内でお願いしますとの張り紙がしてあり、我々もそれを守って1時間で店を出ました。
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爽やか
第二展望台から南を見ると播磨灘、家島諸島が見え、東には淡路島の西海岸が望めました。目を凝らしていると明石海峡大橋の橋桁部分らしい横のラインがわかりました。兵庫南部の山からのランドマークは明石海峡大橋です。

山の標高は低いものの一帯に高い山がほとんど無いため、かなり遠くからでも見通しが良ければ播磨灘が望める場所は多いです。播磨灘が見えればそこから明石海峡大橋を探すのも比較的容易です。
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藤ノ木山の山頂に着いたときは10時過ぎとまだ早く、軽くティータイムをとったあと、ご夫婦が一組登ってこられたので、後を譲ってすぐ先にある第二展望台まで行きました。ここからは山のすぐ西側にある神谷(こたに)池が見えます。

池は神谷川をせき止めて作られた神谷ダムによってできました。ロックフィルダムで、近くを通ると石積みの堤体が見えていましたが、2016年からこの斜面を利用してメガソーラーが稼働しています。景観的には石組が見えた以前の方がいいですが、堤体の有効活用です。
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稲田
藤ノ木山自然公園は加西市、神崎郡福崎町と境を接しています。登山道を登って行くとすぐに稜線に出て周囲の田畑を見渡せるようになりました。このあたりは六甲山からなだらかに続く低山が連なっており、その麓に田園地帯が広がります。

この地形と阪神間という人口密集地が身近にあることから、兵庫県はゴルフ場数が167件で、北海道、千葉県についで全国3位と多く、この稜線からもすぐ北に白鷺ゴルフクラブが見えます。その先には笠形山(939.4m)の姿が望めました。
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朴落葉
登山口に向かう途中にホオノキがあり、まわりには草履ほどもある朴落葉が多数散っていました。日本に自生する樹木の中では最大級の葉で、芳香があり殺菌抗菌作用も持つことから、食材を包んで朴葉寿司などに用いられました。

木材は柔らかく加工がしやすく、耐久性は低いものの均一で狂いが少ないことから版木、寄木細工、刀の鞘、下駄、木琴、野球のノック用バットなどに使われています。住友林業と京都大学が共同で開発した「木造人工衛星」という最先端分野にも活用されています。
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萩の花
藤ノ木山自然公園まで車で行きました。姫路市の小学校が自然学校で使うためのキャンプ施設が整えられています。駐車場は広く、数十台の車が停められそうです。施設の中心に藤ノ木山(269m)があり、その周回コースを歩きました。

道標に沿って藤ノ木山登山口に向かいます。駐車場を出るとハギが咲いていました。このあたりの増位山、書写山などと地質、植生などそっくりです。自然歩道は階段状に整備されてはいますが、滑りやすいところもあり注意しつつ登っていきました。
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