優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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夏料理
章魚の次はだし巻き卵でした。平飼いの鶏の卵で黄身の色が薄めに見えますが、これが自然な卵の色合いです。それからイカの天ぷら。丁寧に包丁が入れられているため歯ごたえがあるのに柔らかく食べやすかったです。

コースの最後はざる蕎麦でした。つゆ、山葵、塩で味わえるようになっています。塩は箸の先に少しつけ蕎麦を食べると丁度良いとのことで、確かに塩自身と蕎麦の味がなじみます。

いただいたのは九品。いずれも素材と料理法がかみ合って絶品でした。ほぼ食べ終わる頃、もう一組の予約客が到着しました。ふたり連れなので、カウンターに座り、ご主人の料理の様を見ながらいただくことができます。
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章魚
この日は最初にカラスミのかかった蕎麦が出て、貝、と続きました。刺身二種の前にマダコの卵が出てきました。新鮮な卵を持ったマダコが手に入ったのです。そのマダコの身も美味しくいただきました。

こういうところに来るときはメモ帳を持ってきて料理の内容を記録しておくべきだと思いました。そのときは感心して聴いているのですがすぐに忘れてしまいます。
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夏料理
最初に韃靼そば茶と日本ミツバチの蜂蜜をかけたキウイが出てきました。韃靼そばはそばの代表的成分であるルチンがそばの120倍含まれています。そうした健康茶としての側面もありつつ、香ばしく美味しいお茶でした。

市販されている蜂蜜のほとんどは西洋ミツバチのものです。集蜜力が高いため咲く花の順番に蜂蜜を作ります。一方日本ミツバチは巣の規模が小さいため色々な花の蜜が混じった「百花蜜」になります。
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涼し
「そば六郷」の外観はこの地域の古い農家です。しかし中に入ると、農家建築を活かした広々とした吹き抜けの天井、古い柱、そして、内装は白を基調に黒のアクセントが入りとても現代的です。

店はご夫婦ふたりでやっておられるようで、料理はご主人が作られ、奥様はそれをテーブルに運び、料理の内容や食材について説明してくださいます。メニューは決まっておらず、その日入った食材によってご主人が決められるとか。
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薫風
昼食には完全予約制の「そば六郷」に連れて行ってもらいました。店名の六郷は国東半島に栄えた六郷満山文化から採用されたものでしょう。

国東半島には中央にそびえる両子山から放射状にのびる谷筋に六つの郷が開けました。ここの大部分が宇佐八幡の荘園だった奈良・平安時代に神仏習合の特異な宗教文化が形成されていきます。最盛期には約1000の伽藍があったといいます。

その後鎌倉新仏教も受け入れ、現在まで多くの摩崖仏や宗教建築、伝統行事が残されています。豊後高田は西日本屈指のそばの産地でそれにふさわしい店です。
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田水張る
田染荘(たしぶのしょう)は国東半島南部にあります。平安時代に宇佐神宮の荘園として開発され、現在まで盆地の傾斜を利用した棚田での米作りが連綿と受け継がれています。

棚田には水が入り始めたところですが、完全に水に満たされた時、青田波、黄金色に稔った時などを想像すると素晴らしい景観でしょう。
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