優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

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遍路
次に70番札所・本山寺へ行きました。ここには1910年(明治43)再建の五重塔があります。本堂は1300年(正安2)に京極氏と佐々木氏の寄進によって再建され、国宝。仁王門は室町時代中期の建立で重要文化財。これ以外にも多くの文化財が広い境内に立ち並んでいます。
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仁王門のそばに西洋人らしい若い男性が、「南無大師遍照金剛」と書かれたお遍路さんの装束を着て座っていました。歩き遍路をしているようです。これ以外にも途中で同じ装束の金髪の女性を見ました。IMG_2369
日本人でもサンチアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩く人がいますから、それと同じようなものでしょうか。「遍路」は春の季語です。今なら、四季を通じて車で回ることができますが、歩き遍路しかなかった時代は季節のいいときに多く、その名残でしょう。IMG_2371


遍路
境内に入ると、テーブルに小さな手作りの袋を並べた方たちがいました。「どうぞ、これはお接待です」との声にそばへ行き袋を手に取りました。「これ、いただけるんですか?」「どうぞ、お接待ですから」。IMG_2350
これがお遍路さんへのお接待なのか、と初めての経験に驚きました。後からやってきた方たちは、お遍路さんの装束ですが、私たちは観光ついでの参拝です。それでも構わないようでしたので、ありがたくいただきました。IMG_2351
四国ではお遍路さんは大師さまと同じとの考えからお接待は「大師さまへの功徳」と考えられ、食べ物や飲み物を提供する文化が根付いているのです。お遍路をする人を応援する意味もあるようです。長い伝統に支えられた文化ですね。IMG_2352
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