優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:電子ピアノ

長き夜
8月も終盤で夜の長さを感じるようになってきました。YouTubeのピアノ講師の動画では、先生について習うことも勧めています。その方が上達が早く時間の無駄が省けるというのですが、必ずしもそうとはいえない、と思います。

先生に習うということは、教室に出かけていくことがほとんどです。そのための準備、身支度、往復時間、謝礼などを考慮したら、その間家で練習していた方が長い時間弾け、コストもかかりません。

また、発表会などで大勢の前で弾きたいという人ばかりではないでしょう。私は今はバッハの音符と向き合って弾いていること自身が一番楽しい。特に誰かに聴いて欲しいとは思いません。
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秋陽
アコースティックピアノの問題点は騒音です。電子ピアノやキーボードはヘッドフォンをすれば音は外に漏れません。値段も安価で調律の手間も不要です。中年以降の趣味ならこちらの方が適切でしょう。

人生の折り返し点を過ぎていれば、突然余命宣告を受けたり、身体が動かなくなることも珍しくはありません。私自身、難病を抱えるようになって、来年どういう状態かわからない、と思っています。

旅行が多かった子供時代のモーツァルトはクラヴィコードを使っていたという記録が残っています。4オクターブ半ほどの音域でピアノより遥かに小さな音しか出ません。61鍵のキーボードは5オクターブの演奏ができ、クラヴィコードの音域をカバーできます。
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秋の蚊
YouTubeでピアノ講師の動画を見ると、彼らの大多数は従来のピアノを強く勧めます。タッチが〜、音色が〜、というのですが、将来プロのピアニストを目指そうという子ども相手ならこの話はわかります。しかし、40過ぎの初心者にはどうなんでしょうか。

その人はどういう曲を弾きたいと思っているのか。88鍵の本格的なピアノでなければ弾けないのはリストなど後期ロマン派以降の曲です。J-POPなら61鍵で十分ですし、クラシックもモーツァルト以前なら61鍵で弾けます。

現在のようなピアノはバッハ、ハイドン、モーツァルトの時代には存在していません。彼らは今のようなピアノを想定して作曲していないのです。そのことに気づいて、これら「専門家」の言うことは話半分で聞くようになりました。
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台風
台風10号の予報が見るたびに変っていて戸惑います。今日は快晴。空が澄み、風が秋めいてきました。このところ、毎朝「バッハのインヴェンション」を練習しています。スムーズに弾けるところが徐々に増えてきて楽しいです。

大人になると、できなかったことができるようになる機会は減ります。楽器の演奏はこうした経験を再び味わえる機会として貴重です。電子ピアノの情報を見て、本体が大きくなっているのに驚きました。アップライトピアノとほぼ変わらないくらいです。

こんなに巨大なものを置きたくないので、この先も電子ピアノという選択はないな、と思いました。バロックや古典派の曲は61鍵のもので弾けます。私は今88鍵のキーボードで弾いていますが、買い替えるなら61鍵でいいと思っています。
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広島忌
起床は午前五時前、今はまだ暗いです。明日から秋、日が短くなってきました。朝食の後、モーニングページを書き、それから電子ピアノで「バッハのインヴェンション」を弾きます。これが今の朝のいちばんの楽しみです。

鎮魂とは現在では死者の魂を鎮める「慰霊」の意味が強くなっていますが、本来は生者の「魂を鎮めること」であり、活力を失った魂に活力を与えることも含みます。

弾いていると関係のない様々な考えが頭に浮かんできます。同時に、旋律やリズムがうまく弾けて何とも心地よい瞬間があります。音楽と一体になるとでもいえばいいのか…。音楽は何のためにあるのか、鎮魂はひとつの答えではないでしょうか。
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盛夏
早朝、ひとりでヘッドフォンをつけてピアノを弾いているのが今の至福のひとときです。『マインドフルネスストレス低減法』などで知られるJ.カバットジンは、瞑想とクライミングの共通点について述べていました。

瞑想的な効果をもたらすのは、おこなう人間にとって適度な難しさを持つ活動だといいます。難しすぎても簡単すぎても意識の集中が続きません。今の私にとって「バッハ インヴェンション」は似た効果をもたらしてくれるのだと思います。

この演奏は私にとってほどよく困難であり、それをクリアできたときの満足感も十分にあるものです。音に集中して完全に疼痛を忘れている一瞬があります。
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昼寝覚め
ピアノを弾こうと思ったのは、抗magニューロパチーの影響で、アウトドアの本格的な遊びはもうできないと思ったのがきっかけでした。すでに電子ピアノを持っていましたから、楽譜だけ買って始めました。ヘッドフォンを使えば騒音も出ません。

以前絵を描いていたことがありましたが、画材を使ったらその分補充する必要があるうえ、作品の置き場に困り、何かが残る類の趣味は仇になるとこのとき悟りました。置物状態だった電子ピアノが蘇り、こんなに楽しめる時間をくれるとは嬉しい驚きです。
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夏の朝
抗magニューロパチーの診断をきっかけに、またピアノを弾き始めました。『バッハ インヴェンションとシンフォニア』を1から順番に練習し、現在4番まで来ています。

こどもの頃少しだけピアノの経験があり、以前買った安い電子ピアノで練習を再開しました。いま一番熱を入れてやっているのがこのピアノの練習です。朝食後ピアノに向かい1時間強弾いています。

弾いていると指の動きとは別に頭の中にとりとめもないことが浮かんできます。それに気づきつつ指の動きにその都度気持ちを集中させます。意外にもこれが瞑想に似ているのです。
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芽吹き
抗magニューロパチーでこの先外で遊ぶことが恐らくだんだん難しくなっていくだろうと思い、今のうちに何か楽しめることを始めておこうと考えました。

電子ピアノを考えたのは、自分一人で家でできること、楽譜がいくらでもあることが大きいです。以前絵を描いていたころ、作品が膨大になり処置に困ったこともあって、三次元の「モノ」が残るような趣味はやめておこうと思いました。

J.S.バッハ「インヴェンションとシンフォニア」は2,000円ほどの楽譜です。先生について習う気はなく、自分が楽しんで弾ければいいのです。
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冬に入る
今日は立冬。姫路はよく晴れています。瀬戸内気候のこのあたりでは冬は晴天が多いです。

何か楽器をやりたいと思ってきました。電子ピアノを選んだ一番の理由は騒音を気にしなくていいことです。押せばその音が出るというのもいい。弦楽器などでは思うような音はなかなか出せません。ギターに挑戦して指の痛さに諦めたことがあります。
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