優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

タグ:鬼瓦

秋空
多宝塔の脇から振り返ると本堂の屋根の上に鎮座した鬼瓦が見えました。鬼瓦の役目は日本式建築の棟の端から雨水が侵入するのを防ぐことです。魔除け・厄除けの目的もあります。

お寺で使われる鬼瓦は文字通り鬼の形相をしています。阿形と吽形があり、国宝の本堂にふさわしく、周囲の魔を払うようです。
IMG_6323


余寒
晴れていますが、冷え込みは続いています。寺社などの和式建築の屋根の端には鬼瓦が設置されています。随願寺の本堂、開山堂などにも鬼瓦は鎮座し、周囲を睥睨しています。鬼瓦の歴史は古く、1400年前に建設された法隆寺の若草伽藍に、すでに蓮華紋鬼瓦が見られます。

鬼は日本人にとって、恐ろしい怪物であると同時に身近な神さまでもあります。鬼瓦には瓦の継ぎ目を覆い雨漏りを防ぐ実用性に加え、屋根の飾りであり、厄を払う願いもこめられています。いぶし瓦は播磨地方の地場産業で、姫路城の75,450枚の瓦はすべて地元で作られています。

現在いぶし瓦の生産全国1位は淡路島です。淡路瓦の起源は江戸初期、池田輝政(姫路城主)の三男、忠雄が淡路藩主の時代です。忠雄は現在の洲本市由良に由良成山城を築城する際、播磨から瓦工の清水理兵衛を招き、瓦を作らせました。理兵衛が播磨に戻った後も弟子が淡路で製造を続け、それが今に至ります。IMG_1035
IMG_1034


このページのトップヘ